It all depends on the liver.

飲みすぎないように文章を書く

存在しない“無敵の遊園地”ーー「東京BABYLON」感想

東京・杉並区で生まれて、31年を過ぎた。 親の離婚もあり、首都圏内を転々として育ったから、思い出のある場所は少ない。引っ越した後も習い事のために訪れ続けた荻窪のタウンセブンとか、中学受験中の癒しだった吉祥寺のアニメイトとか、「いま私が死んだら…

一穂ミチさんが直木賞候補になったので、オタクがおすすめ作品を5冊紹介します

こんにちは。20代半ばまで人生を商業BL小説を読むことに捧げていたライター、ひらりさです。朝起きたら、長年推していた作家さんの一人である一穂ミチさんの最新作『スモールワールズ』が直木賞の候補作としてノミネートされていて、びっくりしたし嬉しいし…

新時代の福音ーー「推し、燃ゆ」(宇佐見りん)書評

「推す」という動詞から「推し」という名詞が派生して、20年も経っていないそうだ。お小遣いをつぎ込んで漫画を買い、始発に乗って声優イベントに参加し、人生の大半をオタクとして過ごしてきた平成生まれとしては、短いような長いような、不思議な気持ちで…

ひらりさ×瀬戸夏子トークイベント「女と女」選書リスト

2021年5月29日、瀬戸夏子さんをゲストにお呼びして、同人誌「女と女2」の刊行記念イベントを行いました。来場・視聴くださった皆さん、ありがとうございました。 bookandbeer.com ログインした #女と女 pic.twitter.com/9bUowVTjnE — ひらりさ (@sarirahira…

セックスできないのは誰と誰か?ーー「ウェンディ、才能という名前で生まれてきたかった?」(瀬戸夏子)

予告された時から楽しみにしていた、「文藝」2021年春号掲載、瀬戸夏子「ウェンディ、才能という名前で生まれてきたかった?」の感想をとりあえずメモ、模索段階でもいいのでまとめておこうと思って、ブログを開いた。 www.amazon.co.jp 本作は、主人公「わ…

それは、私たちだけのものーー『持続可能な魂の利用』(松田青子)書評

《あの人は消えてなんかいない/あなたの世界からいなくなっただけ》 現代社会が内包するグロテスクさを、その中でもがく女性たちに寄り添う姿勢を貫きながら、コミカルかつシニカルに描いてきた作家・松田青子。「普通」「当たり前」「みんな」「そうすべき…

滑稽で愚かな彼らーーミュージカル「スリル・ミー」感想

4月に、ミュージカル「スリル・ミー」を3度鑑賞した。 horipro-stage.jp 「スリル・ミー」は、2003年にNYのオフブロードウェイで初上演された二人芝居のミュージカルで、日本には2011年に初上陸した。1924年にアメリカで発生した、ニーチェの超人思想信奉者…

ひらりさ 2021年の活動履歴

この記事は、ライター・ひらりさの執筆やイベント出演など単発仕事のアーカイブです。雌猫名義だが個人として寄せたものも、一部含まれます。 自己紹介、連載紹介、仕事の依頼については以下記事をご覧ください。 zerokkuma.hatenablog.com 12月 www.shincho…

ひらりさ 2020年の活動履歴

この記事は、ライター・ひらりさの執筆やイベント出演など単発仕事のアーカイブです。雌猫名義だが個人として寄せたものも、一部含まれます。 プロフィール記事(書籍や連載の紹介はこちらで行っています)と合わせてお読みください。 zerokkuma.hatenablog.…

ライター・ひらりさの自己紹介と、お仕事の依頼について

ライター・ひらりさにお仕事を頼んでみたい方向けに簡単な自己紹介と仕事履歴をまとめています。ぜひご一読いただければ幸いです。 まずは自己紹介 最新で利用しているプロフィールはこちら。 1989年生まれ。会社員、「劇団雌猫」メンバー。オタク女性ユニッ…

恋愛観を少女漫画で培った女にこそ沁みる、漫画「天然素材でいこう。」の味わい深さ

マンガParkの全巻無料キャンペーンに踊らされ、朝も晩もおうちで白泉社作品を読み続けている。 『動物のお医者さん』も『天使禁猟区』も無料期間中に読み終わらなかったけれど、10代の「花とゆめ」「LaLa」へのパッションが再燃してしまい、深夜に「あのマン…

いつもの料理を、ひと味変えて? シェフ=キュレーターの技にむせび泣く「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展

箱根に来ています。 「仕事を忘れて温泉旅館でのんびりしたい……」というのが最初の動機だったのですが、美術館密集地帯である箱根では、興味惹かれる企画展もあれこれやっていて、1日目である今日はポーラ美術館に行くことに。 1月にも一度訪問し、とても…

ひらりさってどんなもの書いてるの? 2019年のおしごとアーカイブ

※2020年1月に更新しました 会社員でライターで劇団雌猫です こんにちは。会社員をしながらライター・編集をしている”ひらりさ”です。あと、「劇団雌猫」というオタク女ユニットの一員として活動しています。 いくつかのプロフィールイラストが存在している。…

誰かの記憶に残るということ−−瀬戸夏子×吉田隼人「早稲田から眺める現代短歌クロニクル」

わたしには、西武新宿線に対してのほとんど合理的でないトラウマがあって、それに付随する苦手意識を強く抱いている。 たとえば、大学時代にちょっとだけ付き合っていた男性のバイト先が、今はなきあおい書店高田馬場店だったけれど、3ヶ月でサクッと別れた…

5月病を吹き飛ばす全力ジェットコースター映画「神と共に 第1章:罪と罰」を、オタク女が早口で語る

長期連休明けの5月。 平成だろうが令和だろうが、休みを有意義に過ごした人にとってもうだうだ過ごした人にとっても、至極憂鬱な毎日に感じられているんじゃないでしょうか。 少なくともわたしはめちゃくちゃアンニュイで、そこに急激な灼熱サマーの襲来も…

彼女たちは軽やかに踊り続ける――「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」展

原美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、京都国立近代美術館など、どんな展示がやってるかにかかわらず、定期的に足を運びたくなる美術館がいくつかあるんだけど、そのうちの一つが、東京都庭園美術館だ。 目黒駅から徒歩5分ほどの距離にあるこの美術館は…

痛みは反復されて、痕になるーーソフィ・カル「限局性激痛」展

ずっと東京に住んでいるわりに品川駅で降りる機会がほとんどない人生を送ってきたのだが、新年早々、そのあまり縁のない場所に行く必要ができた。 原美術館で1月5日よりスタートした、ソフィ・カル「限局性激痛」展をみるためである。 bijutsutecho.com ここ…

この5年間、元旦に観た映画を振り返る

新年あけましておめでとうございます。 2017年〜2018年の年末年始は祖父が亡くなったばかりで「おめでとう」というのも言いづらく、身も心もバタバタしていて、何やっていたのか全然覚えていない……。 まあ実家も近所だし、親戚も少ないので、社会人になって…

2018年のおしごとアーカイブ

2018年が終わりました。本業会社員をやりつつ、副業ライターとして、そして趣味のユニット「劇団雌猫」として3足のわらじを履く生活がいよいよエスカレート(?)しており、本当にめまぐるしい一年でした。 精神的な振り返り記事は別途(書けたら……)書こう…

2016年以前のおしごとアーカイブ

もともとウェブサイトで記録していたのですが、サイト、note、はてなブログで別々に持ってもあんまり意味ないかな…?という気がしてきたのとマジで更新しなくなったので、いったんサイトをたたむことにしました。2016年までのおしごと記録はここに残しておき…

12月22日、ジェルネイルをオフしたくなったときのこと(あるいは、Can I Feel at Home in This World Anymore?)

今日の18時半ごろに、どうしても今すぐ、自分の爪をまるはだかにしたくなった。 クリスマス前で大忙しであろう渋谷のネイルサロン群に電話をかけまくり、「最終受付は19時なんですけど、今日はもうあいてないですね〜。満席です」という案の定の回答を幾度も…

ぶっちゃけ何入れてる? オタク女子のメイクポーチ9連発

スキンケア、化粧崩れ防止、日焼け対策、クレンジング……。 とっておきの現場のためにメイクするのは楽しいけれど、継続した「身だしなみ」として化粧をしていくには、考えないといけないこともたくさんあります。そのなかでも、毎日の身だしなみと切っても切…

飲酒してばかりのアラサーOLはどんな記事を書いているのか

こんにちは、ひらりさです。はてなブログではご無沙汰しておりました。 昼間は渋谷で働くOLをやりつつ、放課後(?)は、ライター業、オタク業、そして劇団雌猫業にいそしんでいます。 最近は、個人の連載が2週に1回のペースで始まったのもあり、休日はだ…

旅の道中で読むとおもしろいマンガ5選

金〜土を使って、根府川(江之浦測候所)〜湯河原〜三島に旅行に行ってきました。 とにかく江之浦測候所に行きたくて組んだ旅程&三島に行くことにしたのも当日という行き当たりばったりでしたが、楽しかった〜。 さて、旅については改めて書くかもなのですが…

ミュージカル「少女革命ウテナ ~白き薔薇のつぼみ~」を観てきた

musical-utena.com ピンクの髪の女の子が主人公の何やら仰々しいタイトルのアニメが始まるということは、他番組を観ているときに挿入されたCMで知っていた。 しかし、小学生だった私は、「なんか不思議なタイトルだなあ」と思っただけで、華麗にもスルーして…

【アンケート】女のすきなAV作品を教えてもらった

おかげさまで70〜80人近くの回答が集まった「AV女優」アンケート、記事もたくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました〜!zerokkuma.hatenablog.com 残りの設問にもたっぷり回答いただいてますので、後半戦です! ※とくにAVのキャプチャやジャケッ…

【アンケート】女のすきなAV女優さんを教えてもらった

毎度インターネット上でアンケート芸人として活動しているひらりさです。(ろくに統計的な分析をしていないのは許してくれ) かわいい女の子が好きで、最近はAV女優さんのSNSを眺めて「ほんとかわいいな〜〜!」と思ったり作品を見たりもしていたのですが、…

それは暴力の話−−「初恋と不倫」第二夜『不帰(かえらず)の初恋、海老名SA』観ました

太賀&松岡茉優、映画館で上演の「不帰の恋、海老名SA」で朗読劇初挑戦 : 映画ニュース - 映画.comより 人生には3つの坂があるという。 「上り坂、下り坂、まさか」である。 このフレーズが大きなテーマとなっているドラマ「カルテット」を、私はとても楽し…

【なりたい顔は?】隣のあの子のベストコスメ2017(後編)

コスメアンケート前編、お読みいただいたみなさまありがとうございました!私も編集していて楽しかったです。 zerokkuma.hatenablog.com さてメイクを落とさず睡眠してしまった正月の夜なのですが、引き続き後編をまとめていきます! ※読みやすさを考え、設…

【481人に聞いた!】隣のあの子のベストコスメ2017(前編)

こんにちは。「人のコスメが知りたい」芸人のひらりさです。 もともと化粧がドヘタクソなのですが、2016年に資生堂のメイクレッスンに行きましたら「もうちょっと頑張ろう」という気になって、コスメにも興味がわいてきて、2017年2月にはこんなアンケートを…