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It all depends on the liver.

飲みすぎないように文章を書く

編集者から副業フリーライターにジョブチェンジして1年が経った

 

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昨年12月まで勤務していたウェブメディア(キュのつくやつではない)の編集部をやめ、現在、昼間はIT系企業で働きながら、フリーの編集・ライターとして仕事をしています。

キュのつくメディアで執筆したことも編集したこともないので、キュのつくメディアと「1円ライター」みたいな問題についてはとりたててコメントできないんですけど、キュのつかないメディアでの副業ライターを1年やってみて、思ったことを書いておきます。あくまで「私による私のための振り返り」なので、他人の参考にはならないかなーと思いますが。

 

良かったこと

1)本業が別にあることで、気分転換になる

もともとひとつのことに集中できない性格というか、ひとつのことをやりつづけるとめっちゃ疲れるタイプなので、編集仕事一本のときより気持ちが安定している気がします。家で原稿やってても、「あ〜〜原稿煮詰まってきた〜〜」となったら本業のメール返信とかやるとわりとスッキリします。

 

2)いろいろな媒体で、いろいろなカラーのものを書ける

専業で編集やってたときも、だいぶおおらかな編集部だったので、基本的には提案した企画は80パーセントくらいやらせてもらえており、本当にめぐまれた環境で仕事していたと思います。ただ、レポート記事や編集部の人間が書くレビュー記事のようなものは一切載せないサイトだったので、副業でライターするようになってレポ記事やレビュー記事を書ける機会が増えたのはとても楽しいです。まだまだヘタなので、精進したい……。あと、自分が立てた企画だと自分の守備範囲にかたよりがちなので、メディアの編集の方から自分にはなじみのない企画の依頼をしてもらってかかわる企画の範囲が広がったのもよかったな〜と思います。

 

3)自分の好きな企画を好きなタイミングでやれる

先の項目でも書いたように、前職もだいぶ柔軟な環境だったのですが、メディアに所属している以上&編集として働く以上は「メディアとしてのポートフォリオ」みたいなものを考えねばならず、完全に好きなタイミングで好き勝手動くというのはもちろんできませんでした(そりゃ仕事なので当然ですね)。

ただ、副業になってからは、基本的には自分から提案する場合でも相手から依頼を受ける場合でも「自分の好き嫌い」を優先して仕事してよくなったので、より気楽だなと思っています(基本的にはいただける仕事はありがたく受けていますが)。

あと編集やってるときは、媒体としてのフラットさもそれなりに意識してて、仕事にかかわる「自分の好き嫌い」をオープンにしていませんでしたが、一ライターとなったことで、好きな作家さんに取材依頼することに積極的になりました。まあ、一ライターとしてもいろいろなスタンスあるでしょうし、たぶん好みを表明していることで失っている機会もあるだろうな〜と思うのですが、不利益をこうむるとしたら自分自身だけなので。これについては専業だとまた違う気もしています。

 

4)すごくがんばって仕事をとってくる必要がない

これはかなり大きいことだと思います。実は前職をやめるときに、めっちゃがんばって専業のフリー編集・ライターになるという道もあるのかなとちょっとだけ考えたのですが、書き仕事だけで最初から生活費を得られるだけの仕事をとってこようとするのはめちゃくちゃ大変だと思う……今の私にそれをやれるほどの実績や経験や人脈はない……とやめておきました。

書き仕事があまりない月はない月で、別のことをやればいいし、「書き仕事だけで生活費を得る必要がない」のは、私の精神衛生にはとても合っている気がします。もっとも、それに人生賭けている人だからこそできること、到達できる地点もあるだろうと思っていますが、そういう人だけじゃなくてもいいんじゃないかなということです。ちなみに、正直な話、1円ライターとは言わずとも、単価が安い仕事もわりと受けていますが、副業だからこそ「好きな内容なら受けるし、やりたくない内容なら受けない」ということができているかなと思います。

 

5)外注ライターさんの気持ちがめちゃくちゃわかり、編集としてのしぐさを反省した

これは「副業だから良かったこと」とは違うんですけど、自分がライターの立場でいろいろな編集者の方とかかわったことで、編集者としての自分にとって大変勉強になりました。「あーー、原稿送ったらすぐ読んでほしい〜〜〜せめて一言連絡をくれ〜〜〜」「原稿料はちゃんと最初に言ってくれ〜〜〜」「なるほど、こういう感想の戻し方をするとライターさんはめちゃくちゃうれしいのか〜〜」など、あらゆることをこれまでと逆の立場から実地で体験しました(笑)。今はあまり編集としての仕事はしてませんが、今編集に戻ったら前よりもきちんとした編集になれる気がする……。

 

ちょっと大変なこと

1)取材に行ける時間帯に限界がある

基本的には定時のあるOLなので、打ち合わせや取材に行ける時間帯に限界があり、平日夜か土日でないと対応しにくいという不都合はある(まあ、いろいろな方法でがんばっている)。それもあって平日夜のイベントのレポ記事などは受けやすいかなという気がしますね。まあ出版業界が夜型&休日出勤もわりとあるところなおかげで、打ち合わせについてはそんなに困らないです(あまり人を休日出勤させたくはないんですが……)。

 

2)できる仕事量に限界がある

やりたい企画がたくさんあっても、あくまで「本業をちゃんとやったうえで問題のないスケジュール」で仕事を入れるしかないので、そんなに仕事できない! 取材週1本、締め切り週1本が限界かな〜というのがわかりました。ちなみに今うっかりやりたい企画を「もう少しできるかな?」とホイホイ受けすぎたせいで大変なことになっています。がんばります。

 

3)そんなにお金がたまらない

副業するとお小遣いが稼げると思いましたが、前職から本業の年収があがったにもかかわらず一切貯金が増えていません。マジでどういうことなの!? なんだかんだ取材先に行くための経費が出なかったり、資料の経費が出なかったりするのもあるんですけど。あと確定申告したら結構戻ってくるのかな……。

 

4)確定申告がめんどくさい

人生で今までやったことないんですよね、確定申告……。心して臨みたいと思います。

 

そのほかの気付き

1)黙っていては仕事はこない、自分から営業しないといけない

まあ、これはそこまで大変なことじゃないですが、やはり実績も経験もまだまだなので、あちらから声をかけていただくのを待っていてもダメだなと日々感じています。なので、もうわりきって自分がやりたいことを思いついたら知り合いの編集さんに自分から相談しにいってます。自分がこの人取材したいんですけど〜という提案をウェブメディアの方にするだけじゃなくて、書籍編集者の方が新刊イベントをやるという告知ツイートをしていたら「え、それ絶対おもしろいから記事にするのどうですか? 知り合いのウェブメディアの方に相談してみるんで〜」という感じで提案したり。 というわけで単純に依頼を待っているよりは手数は多い仕事のすすめ方をしているのですが、最近そうした仕事の実績を見て新しく企画の依頼メールをくださる方も増えてきたので、とてもうれしいです。

2)人生、何が仕事につながるかわからない

先日、新しく依頼してくださった雑誌編集者の方との打ち合わせに行ったら「実はぼく、ひらまつさんのサークルの後輩と友達で。『京大×東大BL』書いているへんな人がいるんだよ〜って前に聞いたんですけど、ネットで新しいライターさん探してたら、ひらまつさんがその原稿をネットにあげているのを見つけたんですよ……それがきっかけです」と言われたので、さすがに驚愕しました。

なんか、業界交流会みたいなのってあんまり行くのが得意ではないんですけど、そういうレベルじゃない、日頃の人間関係というのも全然仕事に生きてくるんだな〜世界狭いな〜と思いました。 

というわけで、1年やってみてとっても楽しく暮らせたのですが、

・さすがにもう少しお金たまるようにするにはどうするか

・ 今よりももっと書き仕事・編集仕事にコミットしたい気持ちが増えてきたらどうするのか

という点については来年の課題になるような気がします。来年の私、がんばれ……。その前に今年の締め切りを全部終わらせるんだぞ…‥。

 

そして部外者ながら「1円ライター」問題にコメントすると、やっぱり普通の「ライター」とあの手のキュのライターが同じ「ライター」という言葉でくくられてしまうことに大きな問題があるなあと思います。職業ライターや職業編集というのは、「文章/企画がうまい」だけではだめで、「読み手がそれを読んでどういう影響を受けるか」「そのテーマや取材を受けてくれた方にとってどういった影響があるか」といったことをきちんと考えている人のことだと思っているし、対価はそこにも発生していると私は考えているので。

なので「1円ライター」の話をどうこう言うよりも、そして私などの話よりも、プロの方のお仕事の詳細がもっと積極的に世に伝わるといいんじゃないかなと感じています。

 

ひきつづき、お仕事の依頼もお待ちしております〜。

risari.7@gmail.com

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