It all depends on the liver.

飲みすぎないように文章を書く

ひらりさ 2021年の活動履歴

この記事は、ライター・ひらりさの執筆やイベント出演など単発仕事のアーカイブです。雌猫名義だが個人として寄せたものも、一部含まれます。

プロフィール記事や、過去年度の仕事履歴と合わせてお読みください。

zerokkuma.hatenablog.com

zerokkuma.hatenablog.com

 

zerokkuma.hatenablog.com

 

【連載のお仕事】

 

2021年、継続的に執筆している連載は4つです。一身上の都合により、連載頻度が不定期になっていますが…!

FRaU 平成女子の「お金」の話(不定期)

gendai.ismedia.jp

様々な角度から「女がお金を使うとき」を取り上げています。

 

マイナビウーマン コスメアカの履歴書

woman.mynavi.jp


コスメをこよなく愛する「コスメアカウント」のみなさんに取材し、コスメにはまった経緯から、メイクポーチの中身まで見せてもらっています。


WANI BOOKS OUT それでも「女」をやっていく

www.wanibookout.com


ワニブックスさんのオウンドメディアで、「女」について直球に綴っていくエッセイ連載も行っています。 2019年末に個人で出した同人誌「女と女」のコンセプトに近い内容になっていく予定です。

 

LDK the Beauty 推し色メイクレシピ

www.shinyusha.co.jp

 雑誌「LDK the Beauty」にて、推し色アドバイザーのさきのさんによる連載「推し色メイクレシピ」の構成担当をしています。

 

ちなみに商業連載ではないですが、「note」「はてなブログ」にて、「さらけださない日記」という定期購読マガジン(有料)も更新しています。

note.mu

sarirahira.hatenablog.com

 


【単発のお仕事】

3月

natalie.mu

コミックナタリー 「スケートリーディング☆スターズ」特集にて、神谷浩史さんのインタビューを担当しました。

 

jj-jj.net

Weekly JJのカバーインタビュー「REAL FACE for Gen Z」にて、YouTuber古川優香さんのインタビューを担当しました。

 

2月

www.kankanbou.com

短歌ムック「ねむらない樹 vol.6」にて、飯田有子「林檎貫通式」の書評を寄せました。

tokion.jp

TOKIONにて、ソウル在住のアーティスト イ・ランさんのインタビューを担当しました。

 映画「あのこは貴族」に応援コメントを寄せました。

 

jj-jj.net

Weekly JJのカバーインタビュー「REAL FACE for Gen Z」にて、モデルNikiさんのインタビューを担当しました。

digital.asahi.com

朝日新聞のメンズメイク特集で、コメントをしました。

brutus.jp
BRUTUSにて、アイドルの姫乃たまさんと「推し、燃ゆ」の対談を行いました。

 

1月

woman.mynavi.jp

連載「コスメアカの履歴書」で「つめをぬるひと」さんにインタビューしました。

natalie.mu

コミックナタリー 「青に、ふれる。」特集にて、著者の鈴木望さんとタレントの有村藍里さんの対談を構成しました。

ひらりさ 2020年の活動履歴

この記事は、ライター・ひらりさの執筆やイベント出演など単発仕事のアーカイブです。雌猫名義だが個人として寄せたものも、一部含まれます。

プロフィール記事(書籍や連載の紹介はこちらで行っています)と合わせてお読みください。

zerokkuma.hatenablog.com

 

【連載のお仕事】

 

2020年、個人で継続的に執筆している連載は4つです。

FRaU 平成女子の「お金」の話

gendai.ismedia.jp

FraUで月1回、様々な角度から「女がお金を使うとき」を取り上げています。

 

マイナビウーマン コスメアカの履歴書

woman.mynavi.jp


マイナビウーマンで月1回、コスメをこよなく愛する「コスメアカウント」のみなさんに取材し、コスメにはまった経緯から、メイクポーチの中身まで見せてもらっています。


WANI BOOKS OUT それでも「女」をやっていく

www.wanibookout.com


ワニブックスさんのオウンドメディアで、「女」について直球に綴っていくエッセイ連載も始まりました。 2019年末に個人で出した同人誌「女と女」のコンセプトに近い内容になっていく予定です。

 

LDK the Beauty 推し色メイクレシピ

www.shinyusha.co.jp

 雑誌「LDK the Beauty」にて、推し色アドバイザーのさきのさんによる連載「推し色メイクレシピ」の構成担当をしています。

 

ちなみに商業連載ではないですが、「note」「はてなブログ」にて、「さらけださない日記」という定期購読マガジン(有料)も更新しています。

note.mu

sarirahira.hatenablog.com

 

【単発のお仕事】

12月

www.amazon.co.jp

「大人だって読みたい!少女小説ガイド」に、コラムを寄稿しました。

 

zasshi.tv

雑誌「TV Bros.」で、『少女マンガのブサイク女子考』(トミヤマユキコ)のレビューを執筆しました。

 

natalie.mu

「コミックナタリー」の特集で、塩野明久さんをインタビューしました。

 

sheishere.jp

「She is」の企画で、映画「私を食いとめて」を観て、詩人の文月悠光さんと対談しました。

www.todaishimbun.org

出身団体である「東京大学新聞」からインタビューを受けました。紙面にも掲載された内容が、「東大新聞オンライン」でも読めるようになっています。

www.viewtabi.jp

「びゅうたび」の#新しい旅特集で、おこもり旅について語りました。

 

twitcasting.tv

「大人だって読みたい!少女小説ガイド」のトークイベントに登壇しました。

 

11月

www.amazon.co.jp

「新潮」12月号にて、『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)の書評を書きました。

 

natalie.mu

週刊ビッグコミックスピリッツ51号にて、宇垣美里×米代恭の対談を取材・構成しました。

 

www.viewtabi.jp

「びゅうたび」にて、山形県鶴岡市でのワーケーションの体験記事を書きました。

10月

woman.mynavi.jp

「コスメ垢の履歴書」特別編で、太田莉菜さんに取材しました。

 

ten-navi.com

オウンドメディア「Dybe!」にて、オタクスキルを仕事に役立てようという記事を書きました。



9月

spur.hpplus.jp


「SPUR」で、2gether特集のインタビュー・コラム構成を行いました。

 

www.e-aidem.com

オウンドメディア「りっすん」で、やめたことについてのエッセイを書きました。


8月

www.seidosha.co.jp

ユリイカ」9月号で、田中東子さん、中村香住さんとの鼎談に参加しました。

 

gunzo.kodansha.co.jp


「群像」8月号で、松田青子さん「持続可能な魂の利用」の書評を書きました。

 

7月

www.kadokawa.co.jp

ダ・ヴィンチ」8月号で、「ミステリと言う勿れ」に関するインタビューにこたえました。

 

nlab.itmedia.co.jp

米代恭さんの新連載「往生際の意味を知れ!」のインタビューをしました。

 

6月

 

suumo.jp

作家・凪良ゆうさんのインタビュー記事を取材・構成しました。 

 

 

5月

gunzo.kodansha.co.jp

群像6月号「最新翻訳小説地図」で、『惨憺たる光』の書評を寄せました。

 

www.tbsradio.jp

アフター6ジャンクションに出演して、「私のカルチャー・エスケープ」について語りました。

 

bunshun.jp

文春オンラインで、「桜蘭高校ホスト部」にまつわるエッセイを書きました。

 

bunshun.jp

文春オンラインで、「黒子のバスケ」とコミックマーケット83にまつわるエッセイを書きました。

 

telling.asahi.com

telling,で「だから私はメイクする」コミカライズのことを書きました。

 

telling.asahi.com

telling,でアンチエイジングにまつわるエッセイを書きました。 

 

note.com

柏書房さんのオウンドメディアで、はらだ有彩さんと対談しました。

 

4月

telling.asahi.com

telling,で「在宅勤務でもメイクは楽しい」というエッセイを書きました。

 

ten-navi.com

Dybe!で「在宅勤務におけるコミュニケーションのコツ」について書きました。

 

3月

www.tbsradio.jp

アフター6ジャンクションに出演して、「だから私はメイクする」の話をしました。

 

www.viewtabi.jp

JR東日本のオウンドメディアで、「一生お金に困らない」スポットへの旅レポを書きました。

 

lidea.today

ライオンのオウンドメディアで、忙しすぎるライターとして、「時短おそうじ」の体験記事を書きました。

 

note.com

LINEのオウンド企画で、「#あの日のLINE」に寄せた文章を書きました。

 

srdk.rakuten.jp

ソレドコで、ゆるくランニングを続けるコツについてのコメントを寄せました。

 

2月

 

note.com

2月発売の「小説すばる」で、安壇美緒さん『金木犀とメテオラ』の書評を寄せました。上のnoteでも読めます。

 

ten-navi.com

オウンドメディア「Dybe!」で、会社を休んで短期留学した時のことを書きました。

 

telling.asahi.com

telling.asahi.com

telling,さんで、2回にわたり、「ルッキズム」にまつわる記事を書きました。

 

1月

nlab.itmedia.co.jp

ハイローでも大活躍だった塩野瑛久さんに取材しました。感無量。

 

www.gentosha.jp

新刊を出したばかりの整形アイドル轟ちゃんに取材しました。

 

ライター・ひらりさの自己紹介と、お仕事の依頼について

ライター・ひらりさにお仕事を頼んでみたい方向けに簡単な自己紹介と仕事履歴をまとめています。ぜひご一読いただければ幸いです。

まずは自己紹介

最新で利用しているプロフィールはこちら。

 

1989年生まれ。会社員、「劇団雌猫」メンバー。オタク女性ユニット・劇団雌猫としての編著書に、『浪費図鑑』(小学館)、『だから私はメイクする』(柏書房)など。 個人としてもアンソロジー同人誌『女と女』を発行するなど、女性にまつわるさまざまなテーマについて執筆している。

 

平日日中はIT系企業で会社員、それ以外の時間にライター業、ユニット「劇団雌猫」での活動を行い、三足のわらじを履きながら執筆しています。

 

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イラストレーターさんに可愛く描いてもらったプロフィール画像です。本人はもっとガチャピンに近い。

 

経歴は大まかに、

2012〜 新卒でウェブメディアに就職。ウェブ編集者として4年勤務

2016〜 ソーシャルゲーム会社のゲームプランナーに転職し、副業でライター活動

2017〜 ニュースアプリに関する会社でビジネス職をしつつ、ライター・劇団雌猫活動を始める

となります。

 

どんな仕事を頼めるの?

個人のライターとしては主に

  1. ブックライティング
  2. 雑誌・ウェブメディアでのインタビュー取材
  3. 個人的な体験や取材にもとづくコラム・エッセイ執筆
  4. 書籍やテーマにあわせたトークイベント出演
  5. メディア・SNSコンサルティング

 

の仕事をしています。本業もあるため、ブックライティング関連は、年間1冊程度をギリギリお受けしています。2020年は、戸田真琴さん『人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても』の取材・執筆協力をしました。 

人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても
 

 

以下のような媒体での執筆実績があります。

【ウェブメディア】

文春オンライン、FRaUマイナビウーマン、りっすん、コミックナタリー、ダ・ヴィンチニュース、ねとらぼ、カドブン、WANI BOOKS OUT、Dybe!、柏書房ウェブマガジン「かしわもち」、びゅうたび 他

【雑誌】
SPUR、群像、新潮、文學界小説すばる、yomyom、TV bros、ダ・ヴィンチ日経MJLDK the Beauty、ユリイカ

 

 

連載の詳細や、単発案件の履歴は以下の記事に更新していますので、あわせてご覧ください。

  

zerokkuma.hatenablog.com

zerokkuma.hatenablog.com

 

「劇団雌猫」としても活動してます

劇団雌猫は、平成元年生まれのオタク女子4人によるユニットです。オタク女子から匿名寄稿を集めて同人誌を出していたところ商業書籍化し、活動を続けています。

 

今年出したのは、以下の3冊です。

 

 2018年に出したエッセイ集のコミカライズです。原案を担当しました。2020年10月からドラマもスタートし、Paraviテレビ東京で放映しています。

 

化粧劇場 わたしたちが本当に知りたいメイク術

化粧劇場 わたしたちが本当に知りたいメイク術

  • 発売日: 2020/05/11
  • メディア: 単行本
 

 エッセイ集「だから私はメイクする」のご縁が繋がり、イガリシノブさんとのコラボメイク本も。

 

海外オタ女子事情

海外オタ女子事情

  • 作者:劇団雌猫
  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: 単行本
 

様々な国、様々なジャンルの海外オタク女性にインタビューした本も出ました。

 

雌猫名義での連載も、いくつか行っています。

日経MJ 劇団雌猫のトレンド夜会

r.nikkei.com

2ヶ月に1度の持ち回りで、メンバーがそれぞれの視点でトレンドを紹介するコラムを執筆しています。

 

OshiKra 私たちコレクターズ

www.felissimo.co.jp

フェリシモさんのオウンドメディアで、いろんな「集めてる」系女子に話を聞く連載も始まりました。

 

仕事を頼みたいときは?

2020年以降、連載や書籍の製作に大きくリソースを割いており、新規でご一緒できるのは、単発エッセイやインタビューの依頼を中心としております。他のライターさんに比べ時間の融通がきかないところがありますが、だからこその視点もあると思うので、何かお手伝いできることがあればぜひお声がけください。

ギャランティーに関しては、文字数・納期などをもとにご相談しています。

連絡は、TwitterのDMか、risari.7★gmail.com までお願いします。

 

恋愛観を少女漫画で培った女にこそ沁みる、漫画「天然素材でいこう。」の味わい深さ

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マンガParkの全巻無料キャンペーンに踊らされ、朝も晩もおうちで白泉社作品を読み続けている。

動物のお医者さん』も『天使禁猟区』も無料期間中に読み終わらなかったけれど、10代の「花とゆめ」「LaLa」へのパッションが再燃してしまい、深夜に「あのマンガは?あのマンガは!?」と延々当時の白泉社作品を挙げ続けるという所業までした。

 

 

 基本的には過去に読んだ作品を読み返していたのだけれど、「マンガPark」トップで取り上げられていたのでふと気になって初めて読んだら、ひじょ〜〜〜にハマってしまい、この日月で文庫版5冊のKindleを読み切ってしまった作品がある。それが麻生みこと「天然素材でいこう。」だ。

  

天然素材でいこう。 1 (白泉社文庫)

天然素材でいこう。 1 (白泉社文庫)

 

 

麻生みこと先生といえば、ドラマ化された法廷ものマンガ『そこをなんとか。』が一番有名な気がする。私もとても楽しく読んだのだが、どちらかというと「仕事もの」としてとらえていたのもあり、その他の「恋愛もの」らしい既刊に手を出そうという発想がなかった。しかしマンガParkで1話を読んでみたら、あら驚き、あまりにも面白いし、この作品が連載されていた10代のときにリアルタイムで読んでも、この面白さは理解できなかったかもしれないなあ、今でよかった……とも思った。

 

話の概要は、本当にシンプルに、ラブコメだ。

 

いたって平凡そのものだが、超マイペースな天然キャラであるためか、学年のアイドル的美少女、理々子・美晴の2人に慕われ、つるんでいる女子高生・二美(ふたみ)。美少女二人を「異次元だなあ……」と傍観していた二美だが、その二人が恋心を寄せる学年のカリスマ的男子・高雄(たかお)が兄と同じバスケ部だったために、なぜか高雄にも心を許されてしまい、毎日ごはんを食べる仲に。なんとか友人二人と高雄の仲を取り持とうとする二美だが、二美の飾らない人柄と、いつか映画翻訳者になりたいという彼女のぶれなさに触れた高雄は、二美をどんどん好きになってしまう。結局、二美も高雄に惹かれ、二人は付き合うことに。しかし、いたって自然体な二美と、彼女の真水のようなナチュラルさを愛した高雄は、「恋愛」的に距離を縮めることがうまくできない。そこに、高雄よりずっと前から二美に恋していたチャラ男・三千院、子供時代から自慢の従兄弟・高雄にべったりなおてんば娘・千津もくわわり、二人をめぐる人間関係はどんどん混線していく。


という感じ。

 

平凡な女主人公と学校のカリスマ男子が恋に落ちて……というのは、きわめて少女漫画的なのだが、このマンガがすごいなあと思うのは、「1話で二人をくっつけてしまって、そこから『恋愛とはなにか』『好きとはなにか』について、あの手この手で二人に考えさせていく」のを90年代の時点でやっていることだ。

 

この人は「オンリーワンだ」「一緒にいたいな」ということに、二美と高雄の二人はすぐに気づくのだけれど、では、自分が惹かれた相手の「オンリーワン」さを損ねずに「恋愛する」「一緒にいる」とはどういうことなのかーーそもそも相手がそのままでオンリーワンであるならそれで十分じゃないのか?自分ができることって何なのか?ということを、二人は徹底的に(作者と周囲の登場人物によって)手を変え品を変え考えさせられるのである。

恋愛というのは「他者に干渉/侵害する」行為である、ことを出発点に、相手のそのままを大切したいときに、それでも「干渉/侵害したい」この気持ちは何なのか? 相手の趣味に全く詳しくなくても、同じ舞台を見て全然違う感想を抱いても、一緒にいたいこの気持ちをどうすればいいのか? 二美と高雄は折々それぞれに考えて、立ち止まって、ときにはお互いの恋敵や横恋慕相手に翻弄されて、その恋敵や横恋慕相手が個別に持っている「オンリーワン」さを実感したうえで、それでもやっぱり二美・高雄と一番一緒にいたいのだ、と確認し続けるのである。

 

恋愛は、人類の中でもかなり参加者の多い趣味なので、いろいろな宗派があるジャンルであり、少女漫画の中での描かれ方も無限に存在している。

相手の内面・外面への関心、ときめき、性的欲求そのもの、をたくみに描くことで「理想のカップル」に読者を萌えさせる作品もあれば、今、二人の間の障壁を高く設定し、ヒロインはヒーローを獲得できるか/できないか、ヒーローがヒロインをどう思っているか/思っていないかの駆け引き、を見せつけることで、「これが恋愛の醍醐味でしょ?」と読者を翻弄する作品もある。あるいは、ヒーローが抱える心の傷や過去をヒロインだけが癒やすことができたという過程を綴って、「これが真の愛だよね」と語りかけ、読者の心の穴をも埋める作品もあるだろう。

私もそのようにさまざまな流派の、しかし、読者のアドレナリンをあの手この手で誘発してくれる少女漫画を読んできたから、この歳になっても「NYCのジェヒョンと道端で知りあいてえ〜」くらいのしょうもない想像を毎日するし(毎日は言いすぎかも知れないが……)、20代には「帰り道に頭ポンポンしてきたの何なの!?距離近いけど好きなのかどうなのかはっきりしてくれ!でもこのはっきりしないのが楽しいという気持ちもあるはある」みたいなことで数日あーだこーだ友人にしゃべりまくってそれだけで満足するということもあった(流石に最近はもうないです)。

 

いろいろバリエーションをあげてみたけれど、やはり基本的に恋愛漫画というのは「想いの成就」「障壁の排除」をゴールとしており、「ゴール」に向かって物事が進むかぎり、それは常に吊り橋効果的アドレナリンに大きくフォーカスしたものになっている部分が否めないように思う。

 

それはそれで本当に心底めちゃくちゃ面白いし、それだけでないエンターテイメントや人生の本質もいっぱい散りばめて描かれているので、そうした作品を今読んでもめちゃくちゃ楽しいし、大好きだし、私の人生に不可欠と言い切れる。言い切れるのだけれどーーだからこそ、「天然素材でいこう。」で、その「ゴール」の本質が徹底的に解体されているのを読んで、とても気持ちよくなってしまった自分もいた。

ゴールに夢を見ていないのに、その「ゴール」の不断の確認こそが「恋愛」なのだという、ある意味では絶望的なまでに凡庸で、でも愛おしい現実を突きつけてくるのだ。それは一見非ドラマティックなのだけれど、のぞいてみると小さなドラマに彩られた、とても切ないものでもある。

「恋愛しなくても、一人でも、あるいは他の人とでも、人生は十分に楽しいし、私はあなたにとって一人だけのオンリーワンではないし、あなたを決定的に変える存在でもないんだけど、でもそれでも、あなたといたいし、一緒にいられなくてもあなたを好きだ」

そんなものを10代に読んでも、きっと理解はできなかっただろうなと感じるから、私は今「天然素材でいこう。」を読めてよかったなあと思う。

 

二美ちゃんになりたいよ〜、ともだえながら、もう一回読み返そうと思います。

 

天然素材でいこう。 1 (白泉社文庫)

天然素材でいこう。 1 (白泉社文庫)

 

 

 

いつもの料理を、ひと味変えて? シェフ=キュレーターの技にむせび泣く「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展

箱根に来ています。

「仕事を忘れて温泉旅館でのんびりしたい……」というのが最初の動機だったのですが、美術館密集地帯である箱根では、興味惹かれる企画展もあれこれやっていて、1日目である今日はポーラ美術館に行くことに。

 

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1月にも一度訪問し、とても気に入っていたポーラ美術館。山の緑に囲まれていて、建物そばにひろがる遊歩道にも、彫刻などが置かれています。前回は雨だし冬だしでとても寒かったのですが、今回は天候にも恵まれ、ガラス張りの建物がなおさら映える映える。


鑑賞したのは、8月1日から開催している「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展。

bijutsutecho.com

 

サブタイトルから、巨匠のアートと、現代アートをコラボレーションさせる試みなのだというのは察していたのですが、すごかった……。

 

たとえば、館内に水色のプールをつくりだし、そこに無数の白い器をぷかぷかと浮かべて、器どうしの響きを楽しむ作品(セレスト・ブルシエ=ムジュノの《クリナメン v.7》)にあわせて、モネの《睡蓮》を飾ったり。

 

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クリナメンは撮影禁止でしたが、上に貼った美術手帖の記事で写真が掲載されています。

 

たとえば、15年以上アラスカに通い一人カヌーをこいで氷河の写真を撮り続けてきた日本人写真家の作品(石塚元太良《Middle of the Night》)のなかに、ルネ・マグリットの《前兆》をしのばせたり。

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そして、鏡とガラス板を無数にくみあわせたアート作品(アリシア・クワデ《まなざしの間に》)の奥に、サルバトール・ダリの《姿の見えない眠る人、馬、獅子》を配置し、観るもの自身の立ち位置さえも失わせるような、幻惑の世界を作り出したり……。

 

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ただ蓮の絵同士を並べるとか、ヌードの系譜をたどるとか(横浜美術館のヌード展は素晴らしかったですけど!)、そういうオーソドックスな発想ではなく、一つ一つで観たら絶対むすびつかないようなふたつ(あるいはそれ以上)を、確信をもった手つきで、大胆に、しかし繊細に、同じテーブルに乗せて、「どう?」「いいでしょ」とやってくるような企画展で、しかもそれが決して押し付けがましくも必死でもない軽やかさで、とってもとっても最高でした。部屋をうつるたびに「う〜〜ん!(感嘆)」とうならざるをえなかった……。まるでNOMAやエル・ブジといったイノベーティブ・フュージョンの名店で、シェフ渾身の新作コースを食しているような、新鮮な体験だったのです。

 

楽しみにしていた割に(笑)展示説明や関連記事を大して読まずに現地に赴いたのですが、驚いたのが、飾られていた「巨匠」サイドの作品に関しては、すべてポーラ美術館がもともと所蔵しているものだったということ。たしかに1月にコレクション展を観たときに、目にした記憶があるものもあるような……。膨大な西洋絵画だけをだーっっと観るのも、それはそれで醍醐味でもあるのですが、どうしても「ちょっとお腹いっぱいです」となって、一つひとつの印象が薄れてしまうところ、今回の企画展では異種格闘戦によって、現代アートも心に残るし、歴史的名画のほうも、くっきりと印象に残る構成になっていて(展示点数としてもちょうどよかった)、しかも一部屋一部屋まったく印象が違うのもあって、空間をふんだんに使い、最後まで胃もたれさせないフルコースになっていたなあと思います。

ちなみに併設のレストランでは、展示にあわせた特別コース「シンコペーション」が食べられます。これも可愛くて美味しかった!

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さて、ここまで料理にたとえてしまいましたが、展示のメインタイトルである「シンコペーション」は音楽用語。日本語では「切分法」と訳されていて、強い拍と弱い拍の位置を通常と変えて、リズムに変化を与えることらしいです。おのおのの歴史のなかで、それまでとは違ったリズムを刻んできたアーティスト同士を、時代をこえてくみあわせることで、さらに新しいリズムを生み出す……というような意図があるのかな。

公式キャプションでも、音楽にたとえるような言葉遣いが多く、また、遊歩道では、スーザン・フィリップスというアート作家による音楽インスタレーションが行われていました。

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開館以来初となる現代美術の展覧会とのことですが、ほんとうに、企画したキュレーターさんに「ありがとう〜〜!」とスタンディングオベーションを送りたい気持ちになりました。

あと石原元太良さんの氷河写真、アラスカのゴールドラッシュ廃墟写真がとても良くて、本を買った。

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ぜんぜん素人鑑賞者なのですが、だからこそ、いろんな作家さんとの出会いがたくさんあるなと楽しみです。

ひらりさってどんなもの書いてるの? 2019年のおしごとアーカイブ

※2020年1月に更新しました


会社員でライターで劇団雌猫です

 

こんにちは。会社員をしながらライター・編集をしている”ひらりさ”です。あと、「劇団雌猫」というオタク女ユニットの一員として活動しています。

 

 

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いくつかのプロフィールイラストが存在している。

 

……なんてだけだと、どんな人かわからないだろうと思い、2018年までの仕事履歴をまとめたのが2019年1月のこと。

zerokkuma.hatenablog.com


気づいたら、2019年がだいぶ終わっていた……。

 

劇団雌猫としては、新たに3冊書籍を出しました。

 

誰になんと言われようと、これが私の恋愛です

誰になんと言われようと、これが私の恋愛です

  • 作者:劇団雌猫
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2019/11/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

本業はオタクです。-シュミも楽しむあの人の仕事術 (単行本)

本業はオタクです。-シュミも楽しむあの人の仕事術 (単行本)

 

 

一生楽しく浪費するためのお金の話

一生楽しく浪費するためのお金の話

 

 

また、昨年刊行した『だから私はメイクする』のコミカライズも、FEELYOUNGで連載しています。

 

 

 

雑誌出演、インタビューなど、雌猫の活動だけでもいろいろやっているのですが、個人の活動はなおさら細々やっており、これも記録しておかねば……と思うので、2019年ぶんを。

どんな仕事を頼めるの?

個人ライターとしては大きく、

  1. ブックライティング
  2. 雑誌・ウェブメディアでのインタビュー取材
  3. 個人的な体験や取材にもとづくコラム・エッセイ執筆
  4. 書籍やテーマにあわせたトークイベント出演
  5. サービスやプランの体験レポ

 

の仕事をしています。4年間ウェブ編集として働き、劇団雌猫の活動でも毎度企画・編集といえる仕事をしているので、編集者という自認もあるのですが、なにぶん会社員が本業なので、書きたいものを書くことを優先に仕事をしています。


今のところの興味範囲としては、

女、お金、コスメ、美容、オタク、腐女子ボーイズラブ、百合、

映画(とくに韓国映画!)、アニメ、漫画、

ジェンダーフェミニズム、インターネット、メディア、韓国、アジア

などかなあと思います。もし合いそうだなと思う企画があれば是非お声がけください。

 


2019年、個人で連載しているのは2つです。

FRaU 平成女子の「お金の話」

gendai.ismedia.jp

FraUで月1回、様々な角度から「女がお金を使うとき」を取り上げています。(取材を受けてくださるかた、読みたいネタなども絶賛募集中……!)

 

マイナビウーマン コスメ垢の履歴書

woman.mynavi.jp

マイナビウーマンで月1回、コスメをこよなく愛する「コスメアカウント」のみなさんに取材し、コスメにはまった経緯から、メイクポーチの中身まで見せてもらっています。

 

また、劇団雌猫の活動の一環ですが、名義を出して日経MJでも連載しています。

日経MJ 劇団雌猫のトレンド夜会

r.nikkei.com

2ヶ月に1度の持ち回りで、メンバーがそれぞれの視点でコラムを執筆しています。

 

この合間にもろもろの劇団雌猫としての活動を行い、時間の許す範囲で個別の依頼をお受けしています。他のライターさんに比べ時間の融通がきかないところがありますが、だからこその視点もあると思うので、ご興味持っていただければうれしいです。

連絡は、TwitterのDMか、risari.7★gmail.com までお願いします。

 

※2019年11月までは、すでに受けている仕事で執筆スケジュールがいっぱいです。12月以降でご一緒できる案件や、トークイベント・対談などの出演案件があればお声がけください。

 

ちなみにプラットフォーム「note」にて、「アラサーのさらけださない日記」という定期購読マガジンも更新しています。

note.mu

 

 

 

というわけで、以下は単発仕事のアーカイブです。雌猫名義だが個人として寄せたものも、一部含まれます。依頼時の参考にしていただければ幸いです。


2019年のアーカイブ(2020年1月更新)

12月

 

わたしの好きな街: 独断と偏愛の東京

わたしの好きな街: 独断と偏愛の東京

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2019/12/12
  • メディア: 単行本
 

 ポプラ社から出た「わたしの好きな街」に、東新宿について寄稿しました。

 

SPUR(シュプール) 2020年 2 月号 [雑誌]

SPUR(シュプール) 2020年 2 月号 [雑誌]

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/12/23
  • メディア: 雑誌
 

 SPUR2月号、「ベスト・オブ・カラーズ」でおすすめコスメを紹介しました。

bunshun.jp

短期留学中にあり金を盗まれたので、「文春オンライン」に寄稿しました。大変だった……。

 

www.viewtabi.jp

 「びゅうたび」で、群馬旅行のレポート記事を書きました。楽しかった。

ten-navi.com

Dybe!にて、『漫画 君たちはどう生きるか』の書評を書きました。

 

srdk.rakuten.jp

ソレドコにて、セルフネイルを薦める記事を書きました。

 

11月

完全版 韓国・フェミニズム・日本

完全版 韓国・フェミニズム・日本

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: 単行本
 

 河出書房新社から出た「完全版 韓国・フェミニズム・日本」にエッセイを寄稿しました。

natalie.mu

映画ナタリーで、「グレタ」にあわせた横槍メンゴさんインタビューを構成しました。

 

nlab.itmedia.co.jp

アッチあいさん『ポチごっこ』のインタビューをしました。1年ぶり2回目でした。

 

10月

note.com

柏書房ウェブマガジン「かしわもち」にて、はらだ有彩さんとの対談シリーズがはじまりました。ゆるく続きます。

 

nlab.itmedia.co.jp

ねとらぼ調査隊にて、「つけびの村」インタビューをしました。

woman.mynavi.jp

マイナビウーマン「ラブソングのB面」の企画に参加しました。

 

9月

subaru.shueisha.co.jp

すばる9月号にて、劇団雌猫ひらりさとして「出費日録」を執筆しました。

 

 yomyom vol.58にて、「トレンドを、読む読む。」に寄稿しました。

 

bookandbeer.com


はらだ有彩さん『日本のヤバい女の子 静かなる抵抗』の刊行を記念したトークイベントに、ゲストとして出演しました。

 

8月

note.mu

ひの宙子さん『グッド・バイ・プロミネンス』に推薦コメントを寄せました。

 

ladyknows.jp

Ladyknowsが開催した「美容とルッキズム」についてのトークイベントに、長田杏奈さんと出演しました。

 

ten-navi.com

オウンドメディア「Dybe!」で、仕事に効く書籍を紹介しました。

 

7月

nlab.itmedia.co.jp

ミュージカル「少女革命ウテナ〜深く綻ぶ黒薔薇の〜」鑑賞レポートを執筆しました。

 

ginzamag.com

ウェブの「GINZA」にて、京都旅のエッセイを書きました。

 

www.pixivision.net

Pixivisonで『これだからゲーム作りはやめられない!』のレビューを書きました。

 

www.gentosha.jp

ゆうこすさん、ハヤカワ五味さんの対談記事を構成しました。


woman.mynavi.jp

マイナビウーマンにて、「りぼん」愛をつづりました。

6月

musical-utena.com

ミュージカル「少女革命ウテナ〜深く綻ぶ黒薔薇の〜」パンフレットで、幾原邦彦さんと吉谷光太郎さんの対談を取材・構成しました。

 

bookandbeer.com

岡田育さんの単行本『40歳までにコレをやめる』の刊行を記念したトークイベントに、ゲストとして出演しました。

 

note.mu

長田杏奈さんの単行本『美容は自尊心の筋トレ』の刊行を記念したトークイベントに、ゲストとして出演しました。

 

 

5月 

ikuni.net

ダ・ヴィンチ6月号で、幾原邦彦インタビューを担当しました。

 

ananweb.jp

anan本誌で、アニメ「さらざんまい」によせたコラムを書きました。

 

bookandbeer.com

歌人・瀬戸夏子さんの『現実のクリストファー・ロビン』刊行を記念したトークイベントに、ゲストとして出演しました。

 

nlab.itmedia.co.jp

「凪のお暇」コナリミサトさん、「私の少年高野ひと深さんに飲酒トークしていただき、それを記事にしました。

 

 

lifeplan-navi.comouオウンドメディアの「ライフプランNAVI」で、投資被害にあったときのことを書きました。

 

4月

www.tbsradio.jp

アフター6ジャンクションに出演し、幾原邦彦さんといっしょに「さらざんまい」の話をさせていただきました。

ten-navi.com

オウンドメディア「Dybe!」で、就活のときのことを書きました。

nlab.itmedia.co.jp

幾原邦彦展のレポートを書きました。

www.pixivision.net

Pixivisionで『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』のレビューを書きました。

 

www.meryx.co.jp

給食サービス会社・メリックス株式会社の採用案内の取材・構成を担当しました。

 

3月

 文學界4月号に、『だから私はメイクする』に関連したエッセイ「俺もやってみようかな?」を執筆しました。

 

welove.expedia.co.jp

旅に関する媒体「We♡Expedia」で、東京リフレッシュスポットの記事を書きました。

 

natalie.mu

フルーツバスケットanother」の刊行を記念して、横槍メンゴ先生に取材しました。

cakes.mu

cisさんのイベントレポートをまとめました。

 

2月

www.ohtabooks.com

QUICK JAPAN vol.142で荻野由佳さんコメントの取材・構成を担当しました。

 

nlab.itmedia.co.jp

onBLUEで連載されている、夏野寛子さんに、単行本『25時、赤坂で』についてインタビュー取材しました。

本当に美しくて情緒的な漫画を描かれる方です!

 

nlab.itmedia.co.jp

ビニールタッキーさんの恒例企画「この映画宣伝がすごい! 2018 ~勝手に日本宣伝アカデミー賞」イベントレポート を書きました。

 

アフター6ジャンクションのカルチャー最新レポートのコーナーに出演し、ソフィ・カル展について話しました。

1月

shibuyaso.com

サイト「しぶや荘」での企画・妄想ラブレターの編集・執筆をしました。

 

nlab.itmedia.co.jp

中国のビジネス状況にくわしい戦略マーケター・なつよさんのイベントレポートを書きました。(375ブックマークされていたはずだが、何故か見えない……)

kai-you.net

KAIYOUにて、とらのあな通販サイトのキャンペーンによせて、コラムを書きました。

spur.hpplus.jp

劇団雌猫『だから私はメイクする』になぞらえて、中島美嘉さんの美意識について伺いました。

 

誰かの記憶に残るということ−−瀬戸夏子×吉田隼人「早稲田から眺める現代短歌クロニクル」

わたしには、西武新宿線に対してのほとんど合理的でないトラウマがあって、それに付随する苦手意識を強く抱いている。

 

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たとえば、大学時代にちょっとだけ付き合っていた男性のバイト先が、今はなきあおい書店高田馬場店だったけれど、3ヶ月でサクッと別れたこととか。

たとえば、社会人になってから付き合った男性の住居が西武新宿線沿線在住で、一時期毎日のように電車に乗り、ときには西武新宿駅PePeの花屋で薔薇を買って行ったことすらあるが、2ヶ月でサクッと振られたこととか。

たとえば、中井駅で一緒に美味しいもつ焼きを食べたことのある元交際男性が、後日Twitterで結婚生活について愚痴っているのを目撃したこととか。


もはやおそろしいまでの言いがかりというか、逆恨みでしかないのだが、なんとなく、私の数少ない交際についての苦い記憶は、西武新宿線によって呪われているような気がしており、その後とあるテレビ番組にマンガに詳しいライターとして呼ばれ、複数回の打ち合わせに参加し、当日もリハーサルあわせて3時間近く拘束され、さすがに一回目は楽しかったしいいけど二回目呼ばれたときには、車代(ギャラ)的なものをいただけませんかと提案したら、『高田馬場のスタジオまでの交通費を後で請求してください』と言われたときにも、「西武新宿線が悪い」と思ったくらいだ。

 

というわけで−−上記もろもろのエピソードに一切早稲田生は出てこないのだが−−、限りなく近隣である東新宿というエリアに住みながらも、極力高田馬場にある大学には近寄らずに暮らしていたわたしが、この土曜に、雨の中バスに乗り、まさに早稲田!なエリアに位置する「古書ソオダ水」にお邪魔したのは、サークル「早稲田短歌」出身の歌人であり、先日下北沢B&Bにてトークイベントをご一緒した瀬戸夏子さんの、新刊刊行記念トークイベント第三弾「早稲田から眺める現代短歌クロニクル〜「早稲田短歌」「町」「率」から現在まで〜」に参加するためだった。

前々から行きたいと思っていたが、結局当日飛び入り参加することになった同イベント、開演15分前に「まだ席ありますか〜」と弱々しく声をかけたら普通に満員御礼で、一人だけ立ち見というちょっとはずかしい事態になり「挨拶したら抜けるか……」と思っていたのだけれど、誰か欠席した人がいたのか、一つだけ椅子が空いていて、途中で座らせていただくことができ、2時間たっぷりと、瀬戸さんと、サークルの後輩であり1989年生まれの歌人吉田隼人さんのトークを堪能することができた。

おおきくわけて前半は、瀬戸さんが見てきた短歌業界の全体のトレンド−−短歌同人とネット短歌が絡み合いながら隆盛するも、なかなか歌集は出ず、「データ」を収集しなければならなかった時代から、「文学フリマ」によって同人誌をつくるサークルによる短歌が盛り上がり、また書肆侃侃房の登場によって、(絶版はありつつも)「紙」で歌が手に入るようになった時代に変わったという大枠の話を、後半は、その「文学フリマ」と「紙」の時代の中で存在感を持つようになった学生短歌、ひいては「早稲田短歌」、そして瀬戸さんが参加していた同人誌「町」と「率」についてという、ディテールにフォーカスした話が展開された。わたしは短歌にも短歌業界にも一切精通していないのだけれど、こうした創作周辺の枠組みの話を通じて、流通する「短歌」のフォーマットや、「歌人」たちのマインドにもこういう影響があったと思う、そして瀬戸さんはその中でこういうふうに歌作をしていたという話が、お二人のそれぞれ挙げた「2000年代以降の短歌20首」を引きながら広がっていったので、手元にくばられたペーパーに記載されたその20首をヒントに、頭のなかでお二人の言葉を咀嚼することができて、とても刺激的な2時間だった。

 

Twitterでもメモっていたのだけれど、印象的だった内容は大体こんな感じ。
(あくまで私のメモ書きなので、当日のニュアンスと異なる可能性大ですご注意を)

伊藤計劃に影響されたのかやたら「傭兵」的な言葉が使われてた時代があった

・でもここまで現実が切迫してると、とても簡単には扱えない言葉が増えた

・(瀬戸さんは)抑圧がないと歌がつくれない

・「手紙魔まみ」に衝撃を受けて歌をつくりはじめたので、穂村弘と(モデルとなった)雪舟えまの影響をめちゃくちゃ受けている

・(短歌20首ペーパーにふれながら)雪舟えまの「百年」と東直子の「燃えるみずうみ」の強さから逃れられなくて、それの真似になっちゃって、そこから脱しようと苦しんでた

 黎明のニュースは音を消してみるひとへわたしの百年あげる(雪舟えま)

 好きだった世界をみんな連れてゆくあなたのカヌー燃えるみずうみ(東直子

 ではなく雪は燃えるもの・ハッピー・バースデイ・あなたも傘も似たようなもの(瀬戸夏子)

 

 

・歌集を2つ出して、ある程度自分の好きに歌をよめるようになったかもと思ったら、逆に歌をつくるモチベーションがなくなったかも
・「言いさし」「欠落」が短歌の妙と言われるし、穂村弘は「5W1Hを明確にしすぎない」ほうがいいと繰り返しているが、正直(瀬戸さんは)言いたいこと多すぎて、できない
・ってか「言いさすことで、そこの欠落に読み手が自分を代入してお気持ち共感する」みたいなのが許せない、短歌を「お気持ち共感受容体」にしたくない

・「情報量が多すぎるから短歌やめろ」と散々言われた

・でも塚本邦雄はめっちゃ情報量詰めて成功してる、なのでめちゃめちゃ(塚本の歌を)勉強した
・我妻俊樹は塚本邦雄タイプ、フラワーしげるは情報を詰めない
・塚本のもう一つの特徴は、シニフィアン(意味しているもの)=シニフィエ(意味されているもの)が離れていること

・現代短歌の世界では、「なんで?」って思うくらいシニフィアンシニフィエが癒着している人が多い
・現代詩はむしろシニフィアンシニフィエをこれでもかというくらい離そうとする

・(瀬戸さんは)離したいほうなので、「現代詩短歌」って100回くらい言われた

・偶然短歌botがおもしろがられてるけど、心に残ってる文字列は一つもないはず
・短歌の世界は「つくる」人より「よまれたい」人の世界
・歌を作るAIではなくて、歌の価値判断ができるAIができたら本当の脅威

・(20首にふれながら)歌作を短期間でやめてしまった人の歌が、なぜかネットでバズったりすることもある。

 問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい(川北天華)

 実はこの「問〜」形式の短歌はたくさんあるのだけど、この川北さんの歌がなぜバズったのか?がわかる、事前に価値判断できるAIができたら、短歌も人間も終わっていいと思う

・(瀬戸さん自身は)過去に女性同性愛についての連作をうたって、その後いなくなってしまった觜本なつめの一首を、折に触れて思い出してしまう

 赤く熱おびた木の実を口うつし おまえと子宮を交換したい(觜本なつめ)

・昔は「歌のわかれ」などといって、歌作りをやめることがものすごく重大な決意というか感傷的なものとしてとらえられていたが、短歌は「趣味」で「座興」なので、フェードアウトしたっていいし、いまはフェードアウトした人の歌でも、何かしらのかたちで「残る」

・「かくれんぼ同好会に行っちゃったやつの歌、すごい良かったんですよね」(吉田)

・「できることなら、定家みたいに1000年みんなに覚えてもらいたい」(吉田)という考え方もあるだろうけれど、(瀬戸さんは)自分にとっての觜本なつめさんの一首のようなかたちで、自分の歌が残ってほしい

 

短歌に限らず、なにかを「作る」「発信する」ことに楽しみを覚えている人には、とても響く内容が詰まっていて、本当に、行ってよかったなあと、一言一言をかみしめるトークイベントだった。なんとなく抱いていた苦い記憶たちが、良い「記憶」の話で塗り替えられたという点でも。

そして終了後にご挨拶した「短歌は記憶されて、よまれないと意味がないので、ぜひひらりささんの好きな歌があったら、紹介してくださいね! 」とありがたいお言葉をいただいたので、ペーパーに書かれていた、20首×2のなかから、個人的に「好きだな」と思ったたものを挙げておきます。

 

晩年は神秘主義へと陥った僕のほうから伝えておくね (佐久間慧)

問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい (川北天華)

かたつむりって炎なんだね春雷があたしを指名するから行くね (雪舟えま)

夏の井戸(それから彼と彼女にはしあわせな日々はあまりなかった)(我妻俊樹)

ずっと味方でいてよ菜の花咲くなかを味方は愛の言葉ではない (大森静佳)

 

 

とにかく情報量が多い、以下2冊の瀬戸さんの本もおすすめです。 

 

現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017

現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017

 

 

 

かわいい海とかわいくない海 end. (現代歌人シリーズ10)

かわいい海とかわいくない海 end. (現代歌人シリーズ10)

 

 

追記:6月24日に、ご指摘頂いて、短歌引用の誤記を修正しました。失礼しました!