It all depends on the liver.

飲みすぎないように文章を書く

34歳兼業文筆家、ブログを書いていなかった半年を振り返る

2月ごろ路上で見つけて怖かった、唐突なアニマルたち

お久しぶりです。最後に自主的にブログを書いてから半年経っていてびっくりした!

Twitter(X)を見ている皆さんはご存知かと思いますが、元気に暮らしています。先週は34歳の誕生日も迎えました。

私の元気と裏腹に、Twitterの青い鳥が命をうしなってしまったのがとても悲しい。今のアカウントを作ったのは、2012年5月。TLがぐちゃぐちゃになってもAPI制限されても割と平気で暮らしていたのですが、アイコンが変わったのは鳩が豆鉄砲食らったような衝撃がありました。10年以上あの鳥を顔をつきあわせ、指でタップして暮らしているうちに、鳥=わたしになっていたのかもしれない……? イーロン・マスクは死後Twitterの鳥につつかれまくる地獄で痛い思いをしてほしい。

 

……とマスクへの怨嗟はもはやインターネットのコモディティ化してしまっていてつまらないと思います。ブログを書くのが久しぶりすぎて何をどう書き出していいか、ちっともわからなくなっているんですごめんなさい。

Twitterもこんなことになってしまったわけだし、はてなブログなりnoteなりLetterなり、別のプラットフォームで不定期にでも情報を発信していきたいなあと思ってはいます(ちなみに最近はInstagramのストーリーズで好き勝手しています。よかったらフォローしてね)。でも、「しばらくぶりに書くんだし、なんかちゃんとした体制で始めないと……」みたいなことをグニョグニョ考えているうちに、「不定期にでも情報を発信していきたい」と思い始めてから2ヶ月くらい経ち、青い鳥の死を目の当たりにしてようやく、重い腰をあげようと決意したのでした。

というわけで、どうでもいい人にはどうでもいいだろうしTwitter見てる人はだいたいわかってそうですが、自分のためにこの半年を振り返りつつ、直近のお仕事の予告などもしようと思います。

 

1月からフルタイム会社員として労働している

昨年イギリスで修士論文を書いているときに「どう考えても英語で仕事するの無理だしガッツもないし早く湯船に浸かりたい」と自覚し、Facebookで「日本に帰って就職したいので、知り合いのみなさんよろしくです!」みたいな投稿をしたところ、ご縁があり、IT系エンターテイメント企業のディレクター職として働いています。

とにかく職場の平均年齢が若い。管理職というわけではないものの、20代の後輩、アルバイトを3名指導しているので、『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』を読んだりして、試行錯誤しながらコミュニケーションしています。

職場では

ひらりさ「ごめん、そのタスクまだチェックできてない〜明日見ます><」

後輩「来世でもいいんで!」

ひらりさ「来世でまでこの仕事してたくないよ!ってか労働したくないよ!」

みたいなやりとりをして働いています。和気藹々です。

労働と職場に馴染んでしまっており、ついつい残業してしまうし仕事終わったあとも完全に気力を使い尽くしていて平日原稿書けないので「業務時間以外は会社のことを忘れる」「もう少しMPを業務後に残しておける働き方をマスターする」が最近の課題です。
空気読んで自分からチーム飲み会アレンジしてしまったり任意の飲み会に参加して結局三次会とかまでいちゃうのを…やめたいというよりやめないと文章を書く時間が残らない……。

 

2月に『それでも「女」をやっていく』を出した

zerokkuma.hatenablog.com

 

そんなわけで労働に明け暮れているので……入社したてのうちに単行本を出しておいて本当〜〜〜によかった!!! あのとき全力でゲラに向き合っていなかったら一生出なかった可能性がある……。

2〜4月は、おかげさまで『それ女』関連のインタビューやイベント対応で大忙しでした。本を書くのも大変だったが本を売るのもとてつもないことで、急に押しかけたのにサイン色紙を置かせてくださった書店さんや、応援の言葉をくださった書店員さんには感謝しかありません。もちろん、手元に迎えてくれた読者の方々にも。

ヒットした、ということはできないものの、読んだ方からはすごく熱い感想をいただけることが多くとても励みになりました。また、もう新刊とは言えない時間が経ってからむしろ、本で書いた内容にからんだ寄稿依頼などをいただけており、いろいろなものをわたしにもたらしてくれている本だなと感じています。ちょっと4〜5月あたりは、もともと春のアップダウンな天候が苦手というのと、宣伝疲れでウワーーーとなって色々予定キャンセルしたりもさせてもらい、周りに迷惑をかけたのですが……夏になったら落ち着いてきました。

へんてこだけどおもしろい本だよ!って半年経ったらむしろ明るく言える気分になってきたので、読んでないあなた、ぜひお手に取ってみてほしいです。

 

ちなみに先日紀伊国屋書店新宿本店さんに行ったら、まだ二階のエッセイコーナーに平積みされていて、それも嬉しかったですね!

 

映画は半年で13本しか観れなかったが、バレエ・ダンスを7公演観た

イギリスで去年観てしまった新作もちらほらあり、この半年はあんまり劇場で映画を観なかった

 

観たのは以下13本。「もう一回観たいな」と思える作品が多い半年だった印象(「別れる決心」はイギリスでも観てたのを実際再鑑賞した)。

別れる決心

ザ・ホエール

オマージュ

フェイブルマンズ

レッド・ロケット

すべてうまくいきますように

ピンク・クラウド

アシスタント
THE  FIRST SLAMDUNK

ブエノスアイレス 4K

THE WITCH/魔女 -増殖-

aftersun/アフターサン

ウーマン・トーキング 私たちの選択

でも結局忙しくて同じ作品の再鑑賞とかはできず、なぜ忙しかったかというと、映画の代わりにバレエをめっちゃ観に行っていました。

K-BALLET Opto『プラスチック』

ハンブルク・バレエ団2023年日本公演 ジョン・ノイマイヤーの世界Edition2023

上野水香オン・ステージ

KID PIVOT『リヴァイザー/検察官』

新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』

ピーピング・トム 『マザー』

英国ロイヤル・バレエ団2023年日本公演『ロミオとジュリエット

 

バレエにはまったのは、イギリス留学してよかったと思えることのひとつです。向こうではまったのはロシアのウクライナ侵攻が始まったあとにロンドンで行われた、ウクライナ支援のチャリティーガラ『Dance for Uklaine』がきっかけ。

londoncoliseum.org


バレエのシーズンは9月始まりなので、この後本格的にバレエ鑑賞に通えたのが2022年9月から11月なかばの帰国までで、見られたのは多分5、6公演くらい。でもすごく心に残ったのと、幸いにも日本の友人にバレエ好きがちらほらいること、そしてさらに幸運なことにこの春〜夏はコロナ禍明けもあってかたくさんの来日公演が予定されていたこと(英国ロイヤルバレエのフルカンパニー来日の年!)により、かなりバレエ充できています。

わたしはわたしの都合でこのタイミングでバレエにはまったのですが、5月に行ったKID PIVOTT『リヴァイザー』がかなり盛り上がっていて、SNSでもトレンド入りしていたのが印象的だったなあ……結構ダンスの世界的コリオグラファーが日本の2.5次元系の仕事とかしてるのもあるのかな。『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』 の演出、シェルカウイだったし。わたしはKID PIVOTTのクリスタル・パイトに『チェンソーマン』を演出・振付して欲しくて仕方ないので、集英社の方どうぞよろしくお願いします!


自分でも20年以上ぶりにクラシックバレエを再開した

『それでも「女」をやっていく』にもチラッと書いてあるんですが……(前書きで吐き捨てるように書いてあります!)、実は習い事でやっていたんですよクラシックバレエ。最近オタク女と話しているとそこそこ経験者がいて驚く。わたしは、体がゴジラの赤ちゃんのように硬いのと、第二次性徴でむくむく肉がついているなかでレオタード着続けるのと、あと音楽的センスもなくて「おさるのかごやみたいだよ!」とか先生に注意されるのが嫌で、ちっとも好きになれないままやめてしまったのですが……この歳になって自分の意思で再開するという展開を迎えました。自分が一番驚いている。

体は相変わらずゴジラの赤ちゃんのように硬く、コロナ禍→引きこもり留学生活→帰国後の日本のうまいメシで昔以上にずんぐりむっくりボディ、そして音感も引き続き皆無なのですが、今回は楽しくやれています! 10代の頃に親にやらされるのと違って「なにか才能を見せなければならない」というプレッシャーがないのと、芸術としてのバレエの面白さを作品鑑賞によって理解してるからだなあと思います。

先生からは「そんなワイヤーの切れたエレベーターみたいにグランプリエしないで〜!」とか、辛辣なたとえで注意を受けますが(ダンスの先生って注意するときのたとえが面白いですよね)、「りささんは元気がいいから好きです!」とお褒めに預かることもあり、土曜の朝レッスンに無欠席で通っています。体は死ぬほど硬いので(というかこのままだと死ぬのでは?というくらい硬い本当に、クラスでもっとも死に近い)、レッスン日以外も柔軟をしなければ……と思っているところです。

いきものを飼いはじめた

2021年に一瞬だけ存在していたTwitterフリートという機能をご存知でしょうか。実はわたくし、あの機能を使って(?)フリートのなかにしか存在しない猫を飼っていたことがあります。もう少し詳しく説明すると、「さも猫を飼っているかのようなフリートを投稿し続けていた」ということです。

特に目的はありませんでした。というのは嘘で、フリート機能はInstagramのストーリーズみたいにフォロワー同士でDMをしやすくしてくれるUIをそなえていたので、フリートを通じてフォロワーときゃっきゃしたいという欲望がありました。フリートで猫飼うことにした〜とフリートで名前を募集したら何人かがメッセージをくれて、その中で一番仲良くしたかったフォロワーから来たアイデアで、「パン」って名前をつけました。

が、いつのまにかフリートはなくなり、パンもフリートの海のなかに消えてしまいました。あと猫飼ったことないのに猫飼ってるふうの投稿するの本当に大変だった。猫飼ってる友達から『猫をもっと幸せにする「げぼく」の教科書』なる本を教えてもらって読んだりもしてたけど、ディテールの創作は難しかった。

そんなわけで架空の猫を飼うのはやめたのですが……留学後「いきものを養うことで、自分の生活に軸を持ちたい」という感覚が生まれるようになりました。インターネットのなかで世話のいらない猫を飼うことすら十分にできずに投げ出してしまった身なので、無理かなあ……と悩んだりもしたし、アニマルウェルフェアの観点からもどうだろうなあと思ったりもしていました。

しかし、譲渡サイトを見ているうちにどうしても一目惚れしてしまったいきものがいて、譲渡会に出向いたところ、あれよあれよと話が進み、一緒に暮らすようになって、来月で半年です。自分でもびっくり! どんないきものを飼っているかは、Twitterでは内緒です。かわいすぎて誘拐されちゃうから! でもInstagramのストーリーズには頻繁に登場しています。

あと、来週7(月)に発売する「文學界」9月号に寄稿した書評も、そのいきものせいで「ママ」と呼ばれるようになってしまった話から書き出しています。金原ひとみさんの『腹を空かせた勇者ども』の書評です。特集もおもしろそうなので、よかったら買ってね!

 


8年ぶりに人生三度目のペアリングを買った

婚姻一度もしたことないけどペアリングだけは人生で3度買ったことがある。「交際初期にペアリング買うというカルチャーが自分の中に存在していないのですが……」と既婚女性から言われたのですが、おそらく少女漫画とティーン誌で育った者にしか存在していないカルチャーな気がします。あと記憶をたどると『天使禁猟区』のヒロイン・紗羅が、子供の頃、刹那に夜店で買ってもらったあのおもちゃの指輪がわたしのロマンティック・ラブに深刻に影響している気がする……。でも『窮鼠はチーズの夢を見る』でも、ラスト指輪をプレゼントして終わっていたしな。

少女漫画に刷り込まれた「ペアリングの呪い」に2023年になってもとらわれており、たびたび苦労しているのですが、誕生日祝いをかねてジュエリーショップに一緒に指輪を買いに行ったところ、店を出たあとお互いにプレゼントしあったのは、結局ペアでもなんでもないお互い好みのデザインのもので、しかも相手は人差し指につけている。ってことは人生三度目のペアリングは買っていないのかもしれない……? 全部Instagramのストーリーズでしか起きていないのかもしれない……?

ちなみに過去二度のペアリングも、全部紛失しているのでAIが生成した架空の記憶かもしれません。むしろこれを書いているわたしこそが狂った教師データを突っ込まれた悲しいChatGPT ……? とりあえず毎週日曜日の夜は2〜3品くらいのおかずをこしらえるようになりました。健康!

 

↓2023年5月

 

↓2023年7月

 

暑さのせいか労働のせいか記憶が混濁してきましたが、涼しくなってきた(と信じたい)頃に、こんなイベントもやります。

 

 

bookandbeer.com

 

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