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2023年に観た映画ーーあるいは、劇場に足を運ぶ意味

2024年がやってきたうえに、もう2日が過ぎようとしている……。

 

観た映画まとめは、2018年から年末年始に行っていました。

 

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今年で6年目……と書きそうになりましたが、2022年は留学からの帰国→転職で、バタバタしすぎていて漏れていた!(涙) 留学中にもかなりいろいろ観たので、どこかでリカバリーしたいところです。

と反省しつつ、とりあえず今日は2023年をまとめました。

 

今年は…映画(劇場鑑賞+試写のみ、配信は除く)は、35本でした。

 

1月

ピンク・クラウド(イウリ・ジェルバーゼ/試写)

窓辺にて(今泉 力哉/テアトル新宿

 

2月

別れる決心(パク・チャヌクbunkamura ル・シネマ)

すべてうまくいきますように(フランソワ・オゾン/ヒューマントラストシネマ有楽町)

 

3月

オマージュ(シン・スウォン/新宿武蔵野館

フェイブルマンズ (スティーヴン・スピルバーグ/TOHOシネマズ上野)

 

4月

ザ・ホエール(ダーレン・アロノフスキー/シネマート新宿)

5月

レッド・ロケット(ショーン・ベイカー/シネマート新宿)

アシスタント(キティ・グリーン/試写)

THE  FIRST SLAMDUNK(井上雄彦/TOHOシネマズ池袋)

 

6月

ブエノスアイレス 4K(ウォン・カーウァイ/シネマート新宿)

THE WITCH/魔女 -増殖-(パク・フンジョン新宿ピカデリー

aftersun/アフターサン(シャーロット・ウェルズ/新宿ピカデリー

ウーマン・トーキング 私たちの選択(サラ・ポーリー/ホワイトシネクイント)

 

7月

大いなる自由(ゼバスティアン・マイゼ/Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下)

刑法175条(ジェフリー・フリードマン、 ロブ・エプスタイン/Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下)

裸足になって(ムーニア・メドゥール/新宿ピカデリー

 

8月

ソウルに帰る(ダヴィ・シュー/Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下)

バービー(グレタ・ガーウィグ新宿ピカデリー

さらば我が愛 覇王別姫 4K(チェン・カイコー/グランドシネマサンシャイン池袋

ほつれる(加藤拓也/試写)

ROH バレエ『眠れる森の美女』

 

9月

METライブビューイング「めぐりあう時間たち」(ケヴィン・プッツ/東劇)

エドワード・ヤンの恋愛時代(エドワード・ヤン新宿武蔵野館

PERFECT BLUEパーフェクトブルー今敏/池袋HUMAXシネマズ)

エリザベート1878(マリー・クロイツァー/TOHOシネマズシャンテ)

 

10月

アリスとテレスのまぼろし工場(岡田麿里/新宿バルト9)

ハント(イ・ジョンジェ/新宿バルト9)
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(マーティン・スコセッシ/TOHOシネマズ新宿)

 

11月

ザ・キラー(デヴィッド・フィンチャー/ヒューマントラストシネマ有楽町)

インファナル・アフェア 4K(アンドリュー・ラウアラン・マック/シネマート新宿)

モナリザ・アンド・ザ・ブラッドムーン (アナ・リリ・アミリプール/新宿シネマカリテ)

 

12月

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎(古賀 豪/新宿バルト9)

王国(あるいはその家について)(草野なつか/ポレポレ東中野

香港の流れ者たち(ジュン・リー/ユーロスペース

 

おまけ:そのほか舞台・展覧会

柔らかな舞台(ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ/東京都現代美術館

宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる -(蔡國強/国立新美術館

野又 穫 Continuum 想像の語彙(東京オペラシティ アートギャラリー)

テオ・ヤンセン展(千葉県立美術館)

魂の色は青(キュンチョメ/黒部市美術館)

シン・ジャパニーズ・ペインティング (ポーラ美術館)

新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』

K-BALLET Opto「プラスチック」

ピーピング・トム 『マザー』

上野水香オン・ステージ

ハンブルク・バレエ団2023年日本公演 ジョン・ノイマイヤーの世界Edition2023

KID PIVOT リヴァイザー

ミュージカル『ファクトリー・ガールズ』

英国ロイヤル・バレエ団2023年日本公演『ロミオとジュリエット

「The Artists - バレエの輝き - Program 1&4」


過去の記事によると、2021年に見たのが39本だったので……試写・旧作を含めてるというのにちょっと少ない!

属人的な要因としては、イギリスでバレエにハマった関係で、バレエ鑑賞に時間やお金を割いていた、というのは大きそうです。特に昨年はノイマイヤーとロイヤルバレエのフルカンパニー公演があったので……。エンタメは過処分時間の奪い合い……。

 

自分に限らず、映画好きでも「ステイホームで家にプロジェクターを買った結果、ほとんど映画館に行かなくなった」という話をちらほら聞く一年でした。映画代が2000円の大台に乗り、気軽に人を誘いづらい、自分もさすがにサービスデーに行くよう心がけるようになったのもあります。

これまでの記事では鑑賞した作品の内容からその年の傾向を振り返ることをしてきましたが、今年に関して言うと、作品からの傾向以前に「”あえて”劇場で観たい映画とは何か?」を常に自問自答していた一年だったなと感じます。

そのなかには「応援したい劇場はどこか」も含まれます。数年単位で記事を振り返ると「あー、アップリンクって本当に行きたくなくなったな」とかわかる。

今年は、全体で見るとそこまでの頻度ではないんだけど、「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」はかなり意識的に足を運ぶようにしてました。休館中の「Bunkamuraル・シネマ」も好きな映画館だったので、「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」のことは開業前「休館中の臨時映画館」くらいの認識でいたのですが、始まってみたら内装もかなり凝っているし、ラインナップが旧Bunkamuraル・シネマ以上に私好みだったのです。

まず、セバスチャン・マイゼ「大いなる自由」をかけてくれたのは本当に感謝。戦後ドイツを舞台に、戦後も残存した男性同性愛禁止の法律に抵抗し続けた男の人生を描く大傑作です。

その帰りに渡されたチラシを見て、限定上映のドキュメンタリー「刑法175条」にも足を運びました。関連した旧作の併映をきちんとしてくれる映画館は素晴らしい。と書いたところで「ロスト・イン・トランスレーション」と「ゴーストワールド」観に行きたいのも思い出した。終映までに行かなければ……。

さらに、「大いなる自由」「刑法175条」鑑賞時の予告編で気になった「ソウルに帰る」もすごくよかった。韓国で生まれたがフランスで養子縁組されて育った主人公が、自身のアイデンティティと格闘する話。

 

エリザベート1878」は、シネマシャンテで見ちゃったのですが、これもル・シネマ宮下に足繁く行っていた時期に予告編を見ていたものでした。映画としてはなかなか不思議なつくりだったが、皇妃エリザベートの、フェミニスト的なアダプテーションとして、面白かったです。

 

 

あとは、表現として、劇場で観たいと思わせられる作品を選んだ結果、過去の傑作のデジタルリマスター上映が多くなっちゃったかなあ。「さらば、我が愛 覇王別姫」「ブエノスアイレス」「インファナル・アフェア」「PERFECT BLUE」を劇場で見れたのは、本当に良かったです。

 

と、いろいろ書きましたが、年間ベストは「aftersun/アフターサン」ですね。

空と海と光のあわいの表現、劇場で見れて本当によかったですし、また劇場で見たい。

って調べてたら、1月4日までキネカ大森で名画座上映している!行くか……。

 

ちなみに、世間ではそこまで話題になっていませんが、「モナリザ・アンド・ザ・ブラッドムーン」もとても良い作品でした。

 

こうやって振り返ると、個人的な鑑賞テーマとしては「孤独さ、辺境性から生まれる、クィアネス」「若さと老い」のようなものがあった気がします。パク・ジミン(ソウルに帰る)、フランキー・コリオ&ポール・メスカル(アフターサン)、チョン・ジョンソ(モナリザ・アンド・ザ・ブラッドムーン)の演技が本当に素晴らしかったので、今後も注目していきたいです。

また、試写で鑑賞した「ピンク・クラウド」「アシスタント」「ほつれる」は、パンフレットへの寄稿をさせていただきました。映画ライターというわけでもないのにこのような機会がコンスタントにあったのも、とても嬉しい一年でした!

新年もさっそく映画レビューの依頼を一ついただきました。

本数見れる生活をしていないので、ひとつひとつを丁寧に、自分なりの視点でかみくだいていきたいと思います。

今年も色々見るぞ〜。