昔使ってたメーラーなどを整理していたら、大学卒業直前くらいにまとめた、「オタクカルチャーのトレンドざっくりまとめ」のワードファイルが出てきた。
たしか、前職上司と初めて会ったときに、「最近のオタクってどんな感じなの?」という非常にざっくりした質問を受けて、「オタクというものの存在は知ってるがオタクではない人」向けに、ざっくりまとめたものです。
今の自分の問題意識とか見てるもの、インターネットの状況に思ってることとまた違っておもしろいな~、というのと、2012年の自分は「オタクじゃない人」にこういう話をしていたのか~と思って掲載しておきます。あと、たぶん単純に自分が過去にハマっていたものがわかるという(笑)。文中の「↑」コメント含め、全部2012年の文章です。2012年の状況にぴったしハマる話というよりはたぶん前後3年くらいの話になっているはず……。いずれ2016~2017年のざっくりまとめもやりたいな(言いっぱなしジェネレーション……)。
※読み返したらラノベに対する認識はだいぶ聞きかじりすぎる気がする……。ので、内容の信ぴょう性に疑義がある部分については、ちょっと考えて取り下げるかもしれません。
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Ⅰ.最近のアニメ・漫画を始めとするオタクカルチャーのトレンド・傾向
プラス要素
1)二次創作の隆盛
コミケのほかに、pixivが二次創作の拠点として大きく成長。二次創作を通じて原作を知る人も増える。ニコ動でのMADとか。
2)ネットでの実況、クチコミからの盛り上がり
2ちゃんの実況スレだけでなく、twitterでハッシュタグをつけての実況が大いに盛り上がる。それを見て、他のユーザーも視聴するという構造。あと、ニコ動で一部のシーンが話題になって広がるという現象もあり。
オリジナルアニメでの考察スレの盛り上がりも見逃せない要素。
Ex:魔法少女まどか☆マギカ、TIGER&BUNNY、輪るピングドラム、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない、未来日記
3)メディアミックスの発展
アニメ化、ドラマ化により原作が売れる、というパターンも増えている。
もしくはオリジナルアニメが好評だった場合に他へ波及していくパターン
Ex:魔法少女まどか☆マギカ、TIGER&BUNNY
4)聖地巡礼の流行
実在の地を舞台にしたアニメ・漫画がはやり、その地に「聖地巡礼」することが大いに流行る。モデルとなった側も、積極的な誘致で地域振興を図ろうとする傾向。
Ex:秩父(あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない)、鷺宮(らき☆すた)、箱根(新世紀エヴァンゲリオン)、池袋・荻窪・丸ノ内線(輪るピングドラム)
↑ポイントは入口が無料・人との話題の共有、ということかもしれない、とちょっと感じた。
マイナス?ともとれる要素
1)パッケージを売るための特典商法の拡大
アニメDVDBDも、漫画単行本も、とにかく初回限定盤とかおまけとかつけまくっている。DVDや単行本で稼がないと元がとれないが、特典をつけないと買ってもらえない。もっとも、複数買いする人も多い。
2)ラノベ市場の飽和
ラノベバブルがはじけ気味。タイトルがやたら長くてなんだか似たような感じ。主人公一人称で草食系だけどなんだか女の子が寄ってきて「やれやれ」って感じて、とりあえずヒロインたちはキャラ立てまくりにして、タイトルにビビッドな単語をちりばめ、イラストで気を引くことで差別化するしかない状況になっている。
※ハーレクインとかBLでは昔からタイトルがなんだか長い。(たぶん何萌えの人のための小説かを明確にするため)ので、私はこれを「ラノベのハーレクイン化」と呼んでいるのだが、この話を某K川書店勤務の先輩にしたら、「それ社長も言ってた!」ということだった。
Ex:俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる、勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。、おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!、ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件…etc
3)BL漫画家の一般漫画への進出
よしながふみ、水城せとななど、ふつうに一般漫画家としてキャリアを積んでいる商業BL出身の人は前から一定数いるのだが(そして、同人BL→商業一般はもっといるのだが)、最近、同人BL→商業BLで活躍している人が一般に引っ張られてちょろっと出して大ヒットというパターンが多く感じる。今年の「このマンガがすごい!」の10位以内に商業BLメインの人の一般向けが4作くらいランクインしててびっくりした。逆に言うと、少女・女性漫画界できちんと新人漫画家が育たず、BL漫画の畑で実力を培った人を輸入してこないと回らないのかなという印象を受けている。(これは完全に私の推測です)
Ⅱここ最近のヒット作(一部解説)
1)魔法少女まどか☆マギカ(アニメ)
脚本・虚淵玄(ニトロプラス)、制作・シャフト、音楽・梶浦由記による、オリジナルアニメーション。
見滝原中学校の2年生として平凡に過ごしていた鹿目まどかは、ある日白くかわいらしい生き物であるキュゥべえから、魔女と戦うために自分と契約して魔法少女となってほしいと頼まれる。キュゥべえはまどかに契約の対価としてなんでも願い事をかなえてあげるとまどかに誘いかけ、まどか自身も、特別な存在になれるということに強いあこがれを抱く。しかし、対価としての自分の望みが見つけられないことゆえに、まどかはなかなか決断に踏み切れない。そんな中、魔女との戦いを通じて、「魔法少女」になることの厳しさ、その本当の意味が明かされていく…。
かわいらしい絵柄で始まったのに萌え系魔女っ娘アニメに対する痛烈なアンチテーゼであることが第3話で明らかになり話題となったこと、完全オリジナルで一切続きが読めず考察スレが盛り上がったこと、などにより、一気に人気が出る。3月11日に放送予定だった11話(全12話)が震災の影響で中止になり、しかも震災に類似した描写が多数あったため4月半ばまで延期されたことで、なおさら盛り上がりを見せた部分もある。1巻BDDVD売上が初週5万3000枚(ジブリ作品に匹敵)。
第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞。
2)TIGER&BUNNY(アニメ)
脚本西田征史、監督さとうけいいち、制作サンライズのオリジナルアニメ。近未来的な街を舞台に、特殊能力を持つヒーローがスポンサーを持って犯罪者と戦うという設定をとり、最近落ち目になってきたおじさんヒーロー虎徹と気障で生意気な新人ヒーローバーナビーがコンビとして理解しあっていく様をえがく。
初回放送前はまったく注目されていなかったが、設定の妙や初回でのバーナビーによる虎徹のお姫様抱っこに腐女子たちが食いつき、twitterを介して一気に広まる。その後、本来のターゲット層だった20代~40代のサラリーマンの支持も得て、BD・DVDは売り切れ続出というくらい人気を博した(全9巻とも1巻あたり2~3万枚は売れている)。
3)輪るピングドラム(アニメ)
監督幾原邦彦、制作ブレインズ・ベース、音楽橋本由香利のオリジナルアニメ。主要人物にまったくの新人声優を起用し声萌え層を狙わなかったにもかかわらず、「セーラームーンR」や「少女革命ウテナ」で一世を風靡した幾原監督の12年ぶりの作品であること、先の見えない突飛な設定と謎の「生存戦略」シーンがネットで話題となり、徐々に視聴者を増やして盛り上がりを見せた。また、作中のアイドルグループ「トリプルH」にARBのカバー曲を歌わせたことも話題に。キャラソンアルバムは2万枚売上。DVD・BD売上は単巻6000枚程度だが、ニコ動の有料動画は8~15万再生近い。
4)Fate/ZERO(小説→アニメ)
5)化物語(小説→アニメ)
6)ゆるゆり
7)青の祓魔師(マンガ→アニメ)
8)デュラララ!
↑オリジナルアニメが流行っているのも、展開がわからないものについて、人とリアルタイムで話題を共有したいためかな?と思っている
Ⅲ知っとくとよさそうなおまけ
1)男性向け二次創作の人気ジャンル:東方Project
同人サークル「上海アリス幻樂団」によって制作された弾幕系シューティングゲーム、及びそれらを中心としたゲーム、漫画、小説などの作品群の総称。
。2008年9月時点で『東方風神録』まで(Windows版は6作品該当)のシリーズ累計は推定20万本。それ以上に、ゲーム内BGMをアレンジした同人音楽や、キャラクター・世界観を借りての二次創作が爆発的にヒット。
wikipediaによれば「爆発的な二次創作の背景には、そのほかにも素人が自分の作品を発表する際に、東方Projectという既に大きく広まったネットワーク上で発表したほうが自分の作品がより目立つという現実的な事情も存在する。文芸評論家の福嶋亮大はこのことを「ネットワーク消費」と呼んでいる[26]。ZUNは、第三者が二次創作しやすいように意図して作品設計をしているわけではないとし、自分自身の創作活動もある意味では神社や神を原作とした二次創作のようなものであり、オリジナルと二次創作という区別をあまり意識していないかもしれないとしている」とのこと。
2)男性向け商業作品の人気ジャンル:けいおん!
3)女性向け二次創作の人気ジャンル:ヘタリア
原作は、日丸屋秀和がネットで発表していた4コマ漫画。世界史をモチーフの主軸とし、世界の様々な国固有の風俗、風潮、気風、風土などを人型に模したキャラクター達が織り成す、国擬人化歴史コメディ(のちに書籍化)。ネットを通じて二次創作が流行り、一大ジャンルに。8枚出ているキャラソンは1枚3万~6万枚の売上。アニメも単巻1~2万枚の売上。コスプレも非常に盛り上がったが、軍服や国旗などの扱いを慎重とすべき要素が多いこと・年齢層が低いことなどから、トラブルも多い。とはいえ、海外でも結構人気。
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