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飲みすぎないように文章を書く

ひらりさ×瀬戸夏子トークイベント「女と女」選書リスト

2021年5月29日、瀬戸夏子さんをゲストにお呼びして、同人誌「女と女2」の刊行記念イベントを行いました。来場・視聴くださった皆さん、ありがとうございました。

bookandbeer.com

 

会場・オンライン合わせて60人以上の方にお申し込みいただいたそうです!嬉しい。アーカイブ視聴の予定の方、ぜひお忘れなく……(笑)。

そしてそもそもイベントのきっかけである「女と女2」も既にかなり売れたようです。欲しい方はお早めに!

 

同人誌では瀬戸さんに「少女小説家になれなかったあなたへ」という文章を寄稿してもらいました。トークイベントの第一部で、同人誌のコンセプト、少女小説の話に触れた後、第二部では、二人が影響を受けた雑誌「活字倶楽部(かつくら)」について熱く語った上で、私と瀬戸さんがそれぞれ、「女と女」という枠組みに合わせて小説の選書をを紹介しました。かなり駆け足だったのもあり、ブログにて全書名をリストアップしておきます。

 

【ひらりさ】

荻原規子西の善き魔女」シリーズ
中山可穂『猫背の王子』
サラ・ウォーターズ『荊の城』
綿矢りさ勝手にふるえてろ
うえお久光紫色のクオリア
桜庭一樹青年のための読書クラブ
有吉佐和子華岡青洲の妻
柴田よしき『聖なる黒夜』
藤野可織ピエタとトランジ』
チョン・セラン『屋上で会いましょう』

 

【瀬戸夏子】
〜日本編〜

桐野夏生『グロテスク』
金原ひとみマザーズ
高橋たか子『誘惑者』
今野緒雪マリア様がみてる いばらの森
嶋田双葉「冬服の姫」
栗本薫タナトス・ゲーム 伊集院大介の世紀末』
宮田眞砂『夢の国から目覚めても』
川端康成『雪国』
飛浩隆『ラギッド・ガール 廃園の天使2』
鹿島田真希『黄金の猿』
江國香織『がらくた』
松浦理英子ナチュラル・ウーマン』
武田泰淳『貴族の階段』
瀬戸内寂聴孤高の人
藤森直子『ファッキン ブルー フィルム』


〜海外編〜

キャサリン・ハリスン『キス』
アナイス・ニン『ヘンリー&ジューン』
洪凌『フーガ 黒い太陽』
リュドミラ・ウリツカヤ『ソーネチカ』
クラリッサ・リスペクトル『星の時』
ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』
シャーリィ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』
ジャン・ジュネ『女中たち』
アリス・ウォーカー『カラー・パープル』
チェーザレパヴェーゼ『美しい夏』
フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』
ジェフリー・ユージェニデスヘビトンボの季節に自殺した五人の姉妹』
ローラ・リップマン『あの日、少女たちは赤ん坊を殺した』
ボストン・テラン『音もなく少女は』
ジュリー・オオツカ『屋根裏の仏さま』

 

何故駆け足かって……瀬戸さんのラインナップが多すぎるからですが!(笑) イベント中では一部の本について詳細を説明しつつ、「女のホモソーシャル」「逆エンパワメント」「成熟しないシスターフッド」「女だからこそ百合に挟まるおじさんになりたいねじれた気持ち」などへの思い入れを語りました。真面目で王道に、シスターフッドやエンパワメントの話をしていく重要性もまだまだすっごくあるので、ここでは詳細に触れませんが、イベントだからこそできた話だなと思います。

 

瀬戸さんがリストアップしたもののうち、私は以下を既読の状態で臨みました。

高橋たか子『誘惑者』
桐野夏生『グロテスク』
今野緒雪マリア様がみてる いばらの森
松浦理英子ナチュラル・ウーマン』
嶋田双葉「冬服の姫」
キャサリン・ハリスン『キス』
シャーリィ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』

全然足りていない…!(笑)(そして「雪国」を通しで読んだことがないのを告白してしまった…)自分のあげた本の読み返しも含め、イベントまでの課題図書という形でたくさん本を読めたのはよかったです。特に直前に読んだ『グロテスク』『キス』は本当に面白かった…!イベント後もここのリストからちまちま読み崩していきたいと思います。

イベントでは最終的に「書く」「書かれる」ことだけでなく「読んで、紹介する」ことにもとても価値があるのではないかという話になりました(つまり昨年SNSで一世を風靡した「ジャン神」でいうと、おけパだけど……!)。「私っておけパかも」と言ってる女は結構いますが、「読んで、紹介する」ことを地道に続けるのって本当大変だと思います。瀬戸さんと話していると「私のおけパ力はまだ低い…!」とつくづく痛感しました。ちゃんと本を読んでいく2021年になるよう下半期も頑張ります。

今回瀬戸さんとは、イベントの打ち合わせでも十数時間しゃべり、イベント直前にも2時間くらいしゃべり、イベントで2時間しゃべり、終わった後も朝までしゃべり……で、なんか多分30時間くらいしゃべりました。イベント中に「この子、私のこと好きなのかなんなのか最初よくわからなかった、あげた本も読まないし……」とディスられていたのですが(もらった本を読まない私が悪すぎる)、流石に「今回は考えてることがわかってなんとなくエンディングを迎えた気がする」と言っていただきました。よかった!!!

 

せっかくなので(おけパムーブとして)最後にお知らせも。

瀬戸夏子さんの最新のお仕事としては、2000年以降に刊行された55の歌集でたどる最先端短歌ガイド、「はつなつみずうみ分光器」が近日正式発売になります。 

 

www.amazon.co.jp

 

また、河出書房新社より発売される小説アンソロジー「緊急事態下の物語」に、最新書き下ろし小説が載るとのこと。

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私は7月上旬に、FRaUのインタビュー連載をまとめた単著『沼で溺れてみたけれど』(講談社)が発売予定です。ラストスパート頑張ります!

 

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